12月
05
2025

1870~80年代の日本では、自由民権運動の台頭により、フランス語圏の人々にはほとんど知られていない激しい政治的論争が繰り広げられた。当時の主要な知識人の一人であった中江兆民は、基本的人権の擁護、結社主義の推進、死刑の廃止、軍隊の解体の提案などを唱えたことで著名な人物である。Rousseau au Japon(日本におけるルソー、2018年)、Rousseau et la première philosophie de la liberté en Asie(ルソーとアジアにおける最初の自由主義哲学、2021年)に続き、本講演会で取り上げる最新著書において講師は、兆民のルソー主義的哲学の政治的応用を、彼とその弟子たちによるフランス共和主義のテキストの翻訳というプリズムを通して分析することで、帝国主義に集約されがちな日本のあまり知られていない側面に光を当てようと試みる。

エディ・デュフルモンはボルドー・モンテーニュ大学教授。主著に、Nakae Chômin, La mise en politique d’une philosophie rousseauiste au Japon (1874-1890) (中江兆民 ルソー哲学の政治的応用 (1874~1890)、ガルニエ・クラシックコレクション、「モダニティの成立」シリーズ、2024年)、Rousseau et la première philosophie de la liberté en Asie (1874-1890) (ルソーとアジアにおける最初の自由主義哲学(1874〜1890)ボール・ド・ロー社、2018年)、Rousseau au Japon : Nakae Chômin et le républicanisme français (1874-1890)(日本におけるルソー:中江兆民とフランス共和主義 (1874〜1890)、 ボルドー大学出版会、 2018年)がある。その他、『民約訳解』(Écrits sur Rousseau et les droits du peuple, ベルレットル社、2018年)、『一年有半』(Un an et demi, ベルレットル社、2011年), 『三粋人経綸問答』(Dialogues politiques entre trois ivrognes, CNRS出版、2008年)等、中江兆民の仏訳書を複数出版。

【司会】モルヴァン・ペロンセル(中京大学)
【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所

* 日仏会館フランス国立日本研究所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページからの申込みが必須となります。

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