日本のゲームセンターの歴史考察 ー ゲーム機、空間とその利用
[討論会] ロマン・ルバイー(国際交流基金招聘研究員)、ブノワ・ボトス(慶應義塾大学訪問講師)
18:00~20:00 601号室&オンライン フランス語 日本語逐次通訳付き
本講演・討論会は、日本のゲームセンターの歴史と研究にフォーカスし、ゲームセンターという場所と、そこに設置されたゲーム機を研究対象とした2人のフランス人研究者の交差する視点を通して展開される。ポップカルチャー、メディア文化、ゲーム文化、都市文化の交錯する場であるゲームセンターは、現代日本の都市を象徴する空間の一つとして、人々の共有する集団的イメージの中で特異な存在感を放っている。一方で、ゲームセンターに対する認識はしばしばステレオタイプ的な考えに左右され、かつての「黄金時代」と、その後の衰退というイメージを助長している。
本講演会では、これらの既存のイメージを超越し、ゲームセンターという空間の歴史的進化の概要を紹介するととともに、ゲームセンターを一つの研究対象に仕立てた研究メソッドについても言及しようと試みる。
ロマン・ルバイーは、国際交流基金招聘研究員、日仏会館・フランス国立日本研究所協力研究員。博士論文では、20世紀末の日本のゲームセンター市場で主要な役割を担ったSEGAを題材にした。本講演では、産業ダイナミクスと、ゲームおよびその使用の分析を融合させ、ゲームセンターにおけるビデオゲームの位置づけの進展を辿る。
ブノワ・ボトスは、社会情報学博士、慶應義塾大学訪問講師。クレーンゲーム(UFOキャッチャー)を社会情報学の視点から研究し、博士号を取得。本講演では、今日のゲームセンターを席巻しているクレーンゲームのプリズムを通し、日本のゲームセンターの歴史情報学的な分析を提案する。
ロマン・ルバイー「ゲームセンターの本質か?20世紀末のゲームセンターにおけるビデオゲームの内容、実践、位置づけ」
ロマン・ルバイーは歴史学博士であり、現在、国際交流基金招聘研究員、日仏会館・フランス国立日本研究所協力研究員。20世紀後半の日本のポップカルチャーを研究し、2023年「ジュークボックスからソニックへ ー SEGA、グローバル文化交流の中核をなす日本のビデオゲーム企業 (1973〜2001)」 と題した博士論文で、GIS (groupement d’intérêt scientifique) 「ゲームと社会」創業者賞を受賞。文化史および世界史の観点から日本のビデオゲームを分析し、日本のポップカルチャーの中の異なる分野間、また世界の様々なビデオゲーム間の文化の流れを意識しながらアプローチをしている。
ブノワ・ボトス「日本のゲームセンターのエコシステムにおけるクレーンゲームー メディアのダイナミクス、利用と法規制」
ブノワ・ボトスは、パリ・シテ大学日本語学科修士課程、中央大学大学院文学研究科社会情報学博士課程修了。日本のゲームセンターおよびゲームの展開される空間に焦点を当てた研究を続ける。その研究アプローチはメディア理論、特に間メディア性、メディア考古学・系譜学、都市社会学を結び付けたものであり、現代日本社会におけるゲーム機の進化を、モダニティに関連するより一般的な理論の枠組みの中に位置付けながら文脈化している。クレーンゲームに関する最近の論文は『クレーンゲーム研究:系譜学・考現学・メディア論』というタイトルで2025年に福村出版より上梓された。
【司会】アントナン・ベシュレール (ストラスブール大学、日仏会館・フランス国立日本研究所)
【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所