ベルクソン、知性と生 ――現代と世界の視点から
[講演会] フレデリック・ウォルムス(パリ高等師範学校)
18:00~20:00 601号室 フランス語 日本語逐次通訳付き
定員に達しましたのでお申し込みを締め切りました。
ベルクソンはAI(人工知能)についてどう思うだろうか。また、人々の生活に関わるこのようなテーマについての彼の思想は、なぜ今の時代に必要なのだろうか。それは、とりわけ日本における、この哲学者の国際的な再評価を裏付ける要因でもある。「知性」とは、ベルクソンによれば、「人間の思考」であり、生から生まれるものでありながら、その数学的、技術的、そして本質的に「人工的」な構造によって生から離れていくものである。よって、形而上学的な観点から知性は「直観」によって超えられなければならない。「閉ざされた」社会にではなく「開かれた」社会に、戦争ではなく平和に役立つものでなければならない。このように、ベルクソンの思想は、現代のあらゆる課題と交錯するのである。
本講演では、ベルクソンの哲学思想を紹介し、それを現代の課題に当てはめ、今日の世界規模のあらゆる知的・科学的挑戦に応えるために、「批判的生命主義」と私たちの呼ぶものへとベルクソン思想をどのように変容させるかを検証することを試みる。
フレデリック・ウォルムス(パリ高等師範学校)
フレデリック・ウォルムスは、2022年よりパリ高等師範学校校長。同校出身で哲学教授。1986年に哲学の教授資格取得後、1995年クレルモン・フェラン大学にて、Le problème de l’esprit : psychologie, théorie de la connaissance et métaphysique dans l’œuvre de Bergson 「精神の課題―ベルクソン思想における心理学、知識の論理、形而上学」と題した論文で博士号取得。その後、シャルル・ド・ゴール リール第3大学の哲学科准教授のポストを得、2003年から2013年まで現代哲学の教授を務める。2015年から2022年までパリ高等師範学校文学部の副部長を経て現職に至る。現代フランス哲学を代表する一人であり、彼の研究対象は、ベルクソンと近代フランス思想に特に注意を払いながらケア、倫理、民主主義を包括する。2013年から2021年までComité consultatif national d’éthique pour les sciences de la vie et de la santé(生命科学と健康科学の国家倫理諮問委員会)委員。著書に、Pour un humanisme vital ; Lettres sur la vie, la mort et le moment présent, Odile Jacob, 2019『生きたヒューマニズムのためにー生と死と現在の学問』(オディール・ジャコブ社、2019年)、Vivre en temps réel , Bayard, 2021 『今を生きる』(バヤール社、2021年)などがある。2021年、ジュディス・バトラーとの共著 Le Vivable et l’Invivable『生きられるもの、生きられないもの』を上梓した。
ディスカッサント:平井靖史
慶應義塾大学文学部・教授。専門はベルクソン・ライプニッツなど近現代哲学。時間と心の哲学、記憶の形而上学。日仏哲学会理事、国際ベルクソン協会 (Société des amis de Bergson)理事、グローバル・ベルクソン研究プロジェクト (Global Bersgonism Research Project)理事、ユーラジアン・メモリー・ネットワーク (Eurasian Memory Network)理事。著書に『世界は時間でできている ベルクソン時間哲学入門』(青土社、2022年)、編著にBergson’s Scientific Metaphysics (Bloomsbury)、共編著に『ワードマップ ベルクソン』(新曜社、2026年)、『〈持続〉の力——ベルクソン『時間と自由』の切り開く新地平』、『ベルクソン『物質と記憶』を解剖する』シリーズ(以上、書肆心水)など。共訳書にベルクソン『意識に直接与えられたものについての試論』(ちくま学芸文庫)、ベルクソン『時間観念の歴史』(書肆心水)、ベルクソン『記憶理論の歴史』(書肆心水)などがある。
【司会】トマ・ガルサン(パリ・シテ大学、日仏会館・フランス国立日本研究所)
【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所
【協力】Project Bergson in Japan