5月
21
2009
  • 協力:中央大学
  • 講演要旨:

    『アメリカのデモクラシー』(1835-1840)におけるアメリカの観察者としてのトクヴィルはよく知られている。しかし今日、この作品の重要性は特に社会の比較分析にある。この作品においてトクヴィルはアメリカだけでなく同時代のヨーロッパ社会(フランス、イギリス、アイルランド、ドイツ、イタリア)を研究するとともに、アルジェリアやインドにおける諸文明の衝撃について考察している。トクヴィルにとって比較を重ねることが、デモクラシーの本質、そして階級社会と平等社会の対立を理解する唯一の方法であったのだ。本講演では、実地調査と類型論に基づいたトクヴィルの比較手法が社会科学に与えた影響について考察するとともに、それがいかに今日において西洋および東洋のデモクラシーの経験を理解する助けとなるかを検証する。

  • 講師プロフィール:

    パリ第4大学教授。専門はフランス文学(政治の表象史、19世紀文学)。パリ政治学院でも歴史および政治の表象史を講じる。高等師範学校卒業、近代フランス文学高等教育教授資格(アグレガシオン)取得。論文「フランス文化のなかのトクヴィル」により国家博士号を取得。学術界において教育および実務に関する重要な役職を歴任しているほか、フランソワ・フュレ歴史賞やトクヴィル賞などの選考委員を務めている。出版の方面でも重要な仕事をしており、特にこの20年は、現在までに26巻が出版されているトクヴィルの著作集の刊行において主要な役割を果たすようになっている。それと平行して、トクヴィルの作品の様々な側面に光をあてる著作や論文を発表している。フランス国外の大学に客員教授として招かれることも多く、主にトクヴィルに関する学術的な催しを世界各国で企画している。

    より詳しいプロフィールについては以下のサイトを参照。

    http://www.paris-sorbonne.fr/fr/spip.php?article4427

* 日仏会館フランス国立日本研究所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページからの申込みが必須となります。

Partager