6月
29
2009
  • 講演要旨:

    19世紀以来、鉄鋼会社と鉄鋼業はフランスのパターナリズム(父権主義)の歴史において中心的な役割を果たしてきた。いわゆる《神授権の経営者》を象徴するこの産業部門のリーダーたちは多くの場合、計画的にフランス北部、東部および中央部に人員を配置し、地理的かつ政治的に都市空間を管理してきたのである。さらに、時として精神的な部分にまで踏み込み、第一次産業革命以降にはパターナリズムを労働者《形成》の一側面とした。政治的信条および組合活動の自由が広く認められるようになると、経済システムおよび生産システムの変化ともあいまって、そのような経営者と賃金労働者との関係も急速に再検討されることとなる。しかしながら、パターナリズムとはその明らかなイデオロギー性に加えて、人事管理のひとつの段階であることに違いはない。それが有効な管理方法であることは、1980年代まで鉄鋼業界において用いられていたことからも部分的に理解される。このような管理方法は完全に消えたのであろうか。近年グローバル化しつつある鉄鋼業界では、南ヨーロッパおよび東ヨーロッパの鉄鋼会社の買収を通して、パターナリズムへの回帰が認められる。この観点から見ると、アルセロール・ミタルとして合併したユジノールの歴史は非常に興味深い。

  • 講師プロフィール:

    エコール・ポリテクニック(フランス国立理工科大学校)教授。同校で企業およびマネージメント教育に関する責任者を務めるとともに人文社会科学部門を率いる。高等師範学校(Cachan)卒業、経済学および経営学高等教育教授資格(アグレガシオン)取得、フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)にて歴史学博士号取得。フランス企業史協会監事、Entreprises et Histoire 誌編集委員。エコール・ポリテクニックの経営研究センター(CRG)における彼の研究テーマは、歴史的・人類学的観点から見たマネージメントの手段とモデルの構想と普及である。2006年に Usinor-Arcelor. Du local au Global, et La culture d’entreprise を出版。2006年以来、18〜20世紀のフランスにおけるマネージメントの思想および実践の歴史に関する国際研究プログラムのコーディネートを行う。2007年には、ルノーCEOのカルロス・ゴーン氏の提唱により、HEC経営大学院の E. Chiapello 教授およびルノー・日産アライアンスとともに多文化マネージメントに関する講座を開講した。

* 日仏会館フランス国立日本研究所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページからの申込みが必須となります。

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