4月
23
2012
  • 【発表者】

    • アブデラフィド・アムシュ(リール第1大学)
    • 宮島 喬(お茶の水女子大学名誉教授)
  • 【司会】エレーヌ・ルバイユ(日仏会館)
  • 【共催】ANR-CHORUS ILERE
  • 【講演要旨】

    本講演では日仏両国における政策の中で、移民問題と結びついた文化的多様性がどのように把握されているかを検討する。より具体的には自治体における政策に注目したい。日本では多くの都市で「多文化共生」という新しい政策が市民のあいだで議論され、形成されつつある。そこから新たな多文化共生の概念が生まれるのだろうか。フランスでは年々、政策において移民問題が占める位置は最小限に抑えられたり、あるいは反対に強調されるなど政治状況に左右される傾向が認められる。このような状況の中で特に文化的価値基準は、高く評価されたりあるいは隠蔽されるなど、同様に可変的な位置を与えられている。

  • アブデラフィド・アムシュ:リール大学教授、CLERSÉ-CNRS(リール社会学・経済学研究所)所長。移民の家庭に関する研究から出発し、現在では都市部における社会的ダイナミクスと公的活動(文化政策あるいは都市政策に結びついた自治体の対策)に関する研究に取り組んでいる。2010年からはフランス、ブラジル、日本の研究者との協力の下、都市性と都市空間のガヴァナンスを問う都市の社会学に関する研究プログラムを進めている。

    宮島喬:東京大学文学部卒業後、トゥール大学の博士課程に留学。1974年から1995年までお茶の水女子大学、1995年から2006年まで立教大学、2006年から2011年まで法政大学で教鞭を執り、現在はお茶の水女子大学名誉教授。1982年から1983年のあいだフランス国立社会科学高等研究院(EHESS)の客員教授を務めた。専門は文化と移民の社会学、日本における移民の受け入れ政策。

* 日仏会館フランス国立日本研究所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページからの申込みが必須となります。