5月
13
2009
  • 講演要旨

    17世紀に珍品陳列室(cabinet de curiosités)を飾り、18世紀には陶磁器見本市の花形となった伊万里焼は、常に渇望の対象であった。競合、闇市、ダンピング、模造品など現代の経済グローバル化に包含されるあらゆる要素を、創成期から江戸時代にかけての伊万里焼の流通に見出すことが可能である。

    イヴァン・トゥルセルはその著書 La voie du Imari(伊万里の道)において、伊万里焼の類型論を示すとともに、有田の窯からアムステルダムの倉庫における競りまで、その波乱に満ちた歴史をたどっている。本講演では、非常に価値が高い国際的な取引商品としての伊万里焼という、あまり知られることのない側面に注目し、1710年頃のザクセンにおいて製造の秘密が明らかにされるまで、ヨーロッパにおいて伊万里焼がプラチナのように価値あるものとして扱われていた理由を探る。

  • 講師プロフィール

    コレクターであり、自ら取引も行うようになったイヴァン・トゥルセルは情熱に導かれ、骨董店や地方の美術館に忘れ去られた逸品を求めて空間を旅するとともに、伊万里という、かつてはエリートのみが所有し得た特別な磁器が日本社会において果たした役割を理解するために歴史をひもといた。1986年に来日して以来、様々なメディアの特派員として10余年を過ごした後、再び研究の道へ。社会科学の博士号を取得し、現在は國學院大学でフランス語を教えている。

    日常的に伊万里焼を鑑賞し、“触れる”ことによって培われる彼の研究は、新旧を問わずレプリカが溢れる市場において信頼できる鑑定資料として認められている。

    日本に関する複数の研究書に共著者として参加した後、2008年11月にCNRS(フランス国立科学研究センター)出版部から、単著 La voie du Imari を発表。

  • 講演テクスト:

* 日仏会館フランス国立日本研究所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページからの申込みが必須となります。

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