12月
19
2011

  

  • コメンテーター:宮本太郎(北海道大学大学院法学研究科教授)
  • プロフィール:

    日本経済の専門家でフランス社会科学高等研究院(EHESS)准教授。EHESS Paris 日仏財団ディレクター。2005年〜2008年日仏会館研究員として日本に滞在。主な研究分野は産業の活力、制度変化、イノベーション、日本における格差。2011年に Presses de Sciences po から単著 La grande transformation du capitalisme japonais (1980-2010) を出版した。

  • 要旨:

    1980年代には手本とまでされていた日本の資本主義は、なぜフランスやヨーロッパにおける議論の中で取り上げられなくなってしまったのだろうか。企業組織の最良のモデルというものは存在するのか。競争がより激しくなり、不安定さが増す環境の中で企業はどのようにして技術的優位を保ち、確固たるものにすることができるのだろうか。先進国は中国の製造業の強さを前にして産業における相対的な優勢を維持できるのだろうか。全面的な規制緩和のサイクルが終わりを迎えつつあるとすれば、国家と市場の関係をどのように考え、格差の広がりの中で社会契約をどのように再定義できるだろうか。政治経済の観点から日本の資本主義の大いなる変貌を分析することによって、日本が依然として世界経済の主要な課題の解明を可能にする事例であることが分かるだろう。

* 日仏会館フランス国立日本研究所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページからの申込みが必須となります。