大衆地区から高等教育へ:現代フランスにおける民族誌学アプローチ
[講演会] ファビアン・トゥルオング(パリ第8大学)
18:30〜20:30 601号室
【講演要旨】
2005年の暴動から2015年のテロに至るまで、ファビアン・トゥルオングはパリ郊外大衆地域出身の教え子達のその後を、バカロレア取得から学業の終わりまで追った。その中で描き出されるフランスの若者の姿は、メディアの常套句とはかけ離れた、国家的関心事の隠された一面を体現している。彼らは教育によって自分の置かれた状況から抜け出そうとしているのだ。出自によるハンデや長い学業に見合う収益性という要請、不安定さに直面しつつ、彼らは自尊心を獲得し、複数の境界線で分断された社会を渡る術を身につけるべく日々闘っているのだ。ファビアン・トゥルオングが紹介する彼らの言葉は成長譚のようにも聞こえる。
【プロフィール】
ファビアン・トゥルオングは、高等教育教授資格(アグレガシオン)を持つ社会学者である。パリ第8大学 社会学・人類学部にて教鞭をとる。
【司会】レミ・スコシマロ(日仏会館・日本研究センター)
【主催】日仏会館フランス事務所
【協力】関西国際国流団体協議会
フランス語 逐次通訳