Maison Franco-japonaise: 日仏会館 日仏会館・フランス国立日本研究所(Umifre 19 フランス外務省・国立科学研究センター)

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2019年12月19日(木)

「バンド・デシネをフランス語で読む」第7回レポート

11月29日(金)15時からと18時半からの2回に分けて、日仏会館図書室読書会「バンド・デシネをフランス語で読む」第7回をを開催しました。使用したテキストは同じものです。

日仏会館図書室 読書会
バンド・デシネをフランス語で読む 第7回
日時:2019年11月29日(金)15時~16時半、18時半~20時 
場所:日仏会館図書室
とりあげた作品:Bastien Vivès, Elle(s), Casterman, 2007.
参加人数:15時~7名/18時半~9名
進行役:原正人氏 

日仏会館図書室では、バンド・デシネをフランス語の原書で読む読書会を今年4月から開催しています。進行役を務めていただいたのはバンド・デシネの邦訳を多く手がけている原正人氏です。原氏による読書会の趣旨の説明に続いて、参加者全員に簡単に自己紹介をしていただき、読書会がスタートしました。
なお、「日仏会館図書室 読書会 バンド・デシネをフランス語で読む」は、今後も月1回ペースで開催していく予定です。ご興味のある方は、当図書室の告知をご確認のうえ、お気軽にご参加ください。
以下、原正人氏による読書会の報告です。

今回取り上げた作品は、バスティアン・ヴィヴェス『彼女(たち)』(Bastien Vivès, Elle(s))です。

   作者のバスティアン・ヴィヴェスの作品では『塩素の味』(原正人訳、小学館集英社プロダクション、2013年)、『ポリーナ』(原正人訳、小学館集英社プロダクション、2014年)、『年上のひと』(原正人訳、リイド社、2019年)が翻訳されています。
   今回、訳読の対象となったのは冒頭から10ページ分。いつも通り、基本的には参加希望者に事前にテキストを渡し、予習してきてもらいました。当日その場で当てられた箇所をひとり1~数コマ単位で訳してもらい、必要に応じて文法事項や背景情報をみんなで補足し合いました。
   ページ数も各ページの文字数も決して多くはなかったのですが、昼と夜、どちらの回についても、1時間ちょっとかけてちょうど訳し終えることができました。今回の作品については今まで読んできたどの作品にも増して若者言葉が使われている印象で、その点にとまどった参加者が多かったようです。読んで意味を理解する分には問題なくても、それを日本語に翻訳する際に難儀するということが、特に強く感じられました。
   また、登場人物同士で話題になっている事柄が、暗示されているだけで読者に詳しく説明されておらず、うまく訳読できないという箇所もいくつかありました。
   CURLYやBANGAといった商標に関しては、知っていれば何の問題もありませんが、知らない場合、一般の辞書では調べることはできません。現代を舞台にした作品を訳読するに当たって、インターネット検索が有効であることを如実に示すケースです。
   今回扱ったテキストは、今までこの読書会の中で扱ってきた作品の中でも特に生きたフランス語に接することができる格好の教材だったと言えるのではないかと思います。
   今後も引き続きさまざまなバンド・デシネを読んでいきたいと思います。


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