10月25日(金)15時からと18時半からの2回に分けて、日仏会館図書室読書会「バンド・デシネをフランス語で読む」第6回をを開催しました。使用したテキストは同じものです。

日仏会館図書室 読書会
バンド・デシネをフランス語で読む 第6回
日時:2019年10月25日(金)15時~16時半、18時半~20時
場所:日仏会館図書室
とりあげた作品:Guy Delisle, Chroniques de Jérusalem, Delcourt, 2011.
参加人数:15時~9名/18時半~10名
進行役:原正人氏

日仏会館図書室では、バンド・デシネをフランス語の原書で読む読書会を今年4月から開催しています。進行役を務めていただいたのはバンド・デシネの邦訳を多く手がけている原正人氏です。原氏による読書会の趣旨の説明に続いて、参加者全員に簡単に自己紹介をしていただき、読書会がスタートしました。
なお、「日仏会館図書室 読書会 バンド・デシネをフランス語で読む」は、今後も月1回ペースで開催していく予定です。ご興味のある方は、当図書室の告知をご確認のうえ、お気軽にご参加ください。

以下、原正人氏による読書会の報告です。

今回取り上げた作品は、ギィ・ドゥリール『エルサレム日記(時評)』(Guy Delisle, Chroniques de Jérusalem © Éditions DELCOURT)です。

© Éditions DELCOURT

作者のギィ・ドゥリールの作品では『マンガ平壌』(檜垣嗣子訳、明石書店、2006年)が翻訳されています。

今回、訳読の対象となったのは冒頭からP19まで。いつも通り、基本的には参加希望者に事前にテキストを渡し、予習してきてもらいました。当日その場で当てられた箇所をひとり1~数コマ単位で訳してもらい、必要に応じて文法事項や背景情報をみんなで補足し合いました。

今回の作品は決して文字数が多いわけではないのですが、実際には8ページ分しか進みませんでした。イスラエルをテーマにした作品を日本人がフランス語で読むこと、くだけた会話表現を正確に理解すること、この著者独特のユーモアを日本語に落とし込むことは、決して簡単なことではありません。冒頭数ページでキリル文字が登場したり、CH’TI(シュティ)というあまり見慣れない単語が登場したりと、多文化に開かれた作品でもあり、物語のトーンは軽く読みやすいのですが、確認事項が多く、翻訳するには難しい作品と言えるでしょう。

イスラエル・パレスチナ問題は、多くの日本人にとって、必ずしもなじみのある問題ではありませんが、2011年の本書のフランス語版発売時に比べると、この本で描かれていることは、日本人にとってもずっとアクチュアルに感じられるようになった印象があります。国際情勢が緊迫していることや東京オリンピックを控え、国際化の気運が高まっていることも背景にあるのかもしれません。いずれにせよ、日本のマンガではなかなか描かれないテーマを扱った作品であるだけに、ぜひ多くの日本人に読んでほしいと思います。

今後も引き続きさまざまなバンド・デシネを読んでいきたいと思います。

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