雑誌『Ebisu. Études japonaises』第65号(2028年刊行予定):特集号「現代日本における貧困と不安定な生活:現実、経験、表象」投稿論文募集
[刊行] - 2026年11月15日 日曜日
論文投稿エントリー期限:2026年11月15日。
論文の提出期限:2027年7月15日。
投稿言語:フランス語または日本語(日本語の場合、編集部がフランス語に翻訳する。)
*論文は未発表のものに限る。
投稿エントリー方法
メールの添付ファイル(.doc または .docx)で以下の情報をebisu@mfj.gr.jp まで送付すること。
投稿論文の字数は1万字〜1万5000字とする。
名前
所属
メールアドレス
論文タイトル(仮)
扱うテーマ
論文の構成 要約(300字)
主要参考文献
西洋社会において、日本は依然として、高い生活水準と相対的な社会的均質性を特徴とする豊かな社会として、広く認識されている。この表象が深く根付いているがゆえに、貧困やプレカリティ(Precarity, Precarité)は周辺的な現象として扱われがちである。日本社会においても、貧困はそれほど可視化されていない。この問題は長い間覆い隠されてきたが、2000年代末に浮上し、その後、再び過小評価されるようになった。しかし、先進国の中で、日本は米国に次いで相対的貧困率が最も高い国の一つである。貧困は人口の相当な割合(2021年には15.4%)に影響を及ぼしており、特にひとり親世帯や65歳以上の高齢者層に顕著だ。それにもかかわらず、生活保護を利用しているのは全世帯のわずか1.6%に過ぎず、実際の貧困の規模と、制度的な保護を利用している人口規模の間に乖離があることが明らかになっている。ジョセフ・レジンスキーの定義によれば、住居や雇用といった一つまたは複数の基本的な保障の欠如を意味する「プレカリティ(不安定な生活)」もまた、ほとんど問題にされてこなかった。2000年代半ば以降、被雇用者の3分の1以上が非正規雇用に就いており(2025年には36.5%)、不安定雇用の持続的な拡大を示している。これら被雇用者の一部にとっては、雇用と住居の不安定さが相まっており、さまざまな形態のプレカリティ(不安定性)が相互に絡み合っていることを示している。
こうした表象と現実の乖離は、現代日本を分析するにあたって貧困とプレカリティをどこに位置づけるべきなのかを、私たちに問いかける。この問題は、一部の欧米の出版物で時折取り上げられるものの、多くの場合周辺的な位置にとどまっており、研究の中心的な対象でもなければ、構造的な視点からの分析にもなっていない。本号では、貧困とプレカリティを、現代日本を観察する概念として採用し、日本社会を理解するための導入となるような論文を募集する。これらの現象を、社会的状況、生きられた経験、公共政策の対象としてだけでなく、社会的に構築されたものや、表象の対象としても考察するような論文の投稿を期待する。
貧困は多面的な側面を持つため、社会全体の機能を示す指標となる。貧困は、個人の権利、社会保障制度、連帯の諸形態、社会的絆の変容といった根本的な問題にかかわる。その意味で、貧困は学問分野や方法論において、極めて多様なアプローチが可能である。
したがって、法学、政治学、社会学、人類学、経済学、地理学、文化研究、さらには文学・芸術研究など、多岐にわたる分野からの投稿を期待する。本号は主に現代の日本を扱っているが、貧困への対応の実践、認識、支援のあり方の起源や変遷をより深く理解するのに役立つのであれば、特に近現代史に焦点を当てた歴史的考察も歓迎する。投稿は日本語の資料に基づいたもので、以下のようなテーマが考えられる:
- 社会的疎外や差別に対する適応、抵抗、動員の形態
- 地域および居住環境の動態(低所得層の多い地域、農村の過疎地域、劣悪な住環境など)
- 学校の役割、教育格差およびそれが生徒の生活体験や進路に及ぼす影響
- 医療へのアクセス、メンタルヘルス、特定の脆弱性など、健康に関する課題
- 労働環境の変容、雇用の不安定性、および退職後の生活条件
- 自然災害、公害、あるいはパンデミックが社会的脆弱性の状況に及ぼす影響
- 文学、映画、大衆文化における貧困の表現(作品はいかにして貧困を捉えているか?そこからどのようなプレカリティの像が浮かび上がるか)
- 貧困への対応策:制度的措置(法的・行政的)および地域、団体、個人による取り組み。
特に、貧困にさらされている人々(高齢者、若者、女性、ひとり親家庭、ホームレス、障がい者、マイノリティ、難民、 など)に加え、人口の高齢化といった横断的な課題や、不安定な生活状況がもたらす社会経済的影響(孤立、スティグマ、過剰債務、貧困の搾取など)にも焦点を当てる。
特集責任者:メラニー・ウルス、稲葉奈々子、および雑誌『Ebisu. Études japonaises』編集委員会。