Maison Franco-japonaise: 日仏会館 日仏会館・フランス国立日本研究所(Umifre 19 フランス外務省・国立科学研究センター)

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2020年04月06日(月)

「バンド・デシネをフランス語で読む」第9回レポート

1月29日(水)15時からと18時半からの2回に分けて、日仏会館図書室読書会「バンド・デシネをフランス語で読む」第9回を開催しました。使用したテキストは同じものです。

日仏会館図書室 読書会
日時:日時:2020年1月29日(水)15時~16時半、18時半~20時 
場所:日仏会館図書室
とりあげた作品:L’Enfant et la rivière d'Henri Bosco, illustré par Xavier Coste ©2018, éditions Sarbacane.
参加人数:15時~10名/18時半~11名
進行役:原正人氏 

日仏会館図書室では、バンド・デシネをフランス語の原書で読む読書会を2019年4月から開催しています。進行役はバンド・デシネの邦訳を多く手がけている原正人氏です。原氏による読書会の趣旨の説明に続いて、参加者全員に簡単に自己紹介をしていただき、読書会がスタートしました。
なお、「日仏会館図書室 読書会 バンド・デシネをフランス語で読む」は、今後も月1回ペースで開催していく予定です。ご興味のある方は、当図書室の告知をご確認のうえ、お気軽にご参加ください。
以下、原正人氏による読書会の報告です。

今回取り上げた作品は、アンリ・ボスコ原作、グザヴィエ・コスト画『少年と川』(L’Enfant et la rivière, illustré par Xavier Coste ©2018, éditions Sarbacane)です。

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L’Enfant et la rivière d'Henri Bosco, illustré par Xavier Coste ©2018, éditions Sarbacane.

   原作のアンリ・ボスコはフランスの小説家。いくつか翻訳もありますが、今回取り上げた『少年と川』は、アンリ・ボスコ『少年と川・島の狐 : パスカレ少年の物語』(天沢退二郎訳、福音館土曜日文庫、1985年)を始め、何度か翻訳されています。
   作画を担当しているグザヴィエ・コストは1989年生まれの若い作家です。あいにく日本語に翻訳されている作品はありませんが、本作ではアンリ・ボスコが描写する色鮮やかな美しい南仏の世界をバンド・デシネならではのカラー表現で見事に再現しています。
   今回、訳読の対象となったのは20ページまで。いつも通り、基本的には参加希望者に事前にテキストを渡し、予習してきてもらいました。当日その場で当てられた箇所をひとり1~数コマ単位で訳してもらい、必要に応じて文法事項や背景情報をみんなで補足し合いました。
   この作品は文学作品が原作で、美しいフランス語で書かれていますが、外国語としてフランス語を学ぶ者にとっては、かえってボキャブラリーや文法構造が理解しやすいのではないかと思います。とりわけここ数回取り上げてきた口語表現の多い作品と比較するとそう言えるでしょう。
   また、全年齢向けの作品であるとはいえ、少年を主人公にした児童文学的な趣のある作品ということもあって、文字は決して多くなく、その点でも読みやすかったのではないかと思います。
   一方、南仏独特と思われるボキャブラリーや表現も時折散見され、辞書を引くだけでわかった気にならずに済むという意味でも、読書会で扱うのにふさわしい作品だと言えます。
   今後も引き続きさまざまなバンド・デシネを読んでいきたいと思います。

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