Maison Franco-japonaise: 日仏会館 日仏会館・フランス国立日本研究所(Umifre 19 フランス外務省・国立科学研究センター)

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連続講演会 「社会問題・労働問題・環境問題に関する訴訟の役割―日仏比較の 視点から」

環境損害の賠償、国家責任、気候変動訴訟、環境法


(同時通訳付き)
日時: 2021年01月20日(水) 18:00〜20:00
場所: オンライン
講演者: イザベル・ジロドゥ(東京大学)、大久保規子(大阪大学)、エヴ・トリュイレ(フランス国立科学研究センター)
【ディスカッサント】高村ゆかり(東京大学)
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裁判官の介入は、衛生、労働、環境、ビジネスなど、社会的、経済的、財政的な生活のさまざまな領域にまで及んでいる。これまで司法の介入が少なかった分野での訴訟の増加は、フランスや日本では20年以上、米国では半世紀近く前から見られる傾向である。それは「司法化」という言葉の広まりからもわかるだろう。 (e.g. Scheingold 1974; Shapiro & Stone Sweet 2002; Pélisse 2003, 2009, 2020; Commaille & Kaluszynski 2007; Foote, Kawai, Moriya, Kakiuchi, Kaminaga, Wada, Tomohiko & Ota 2009; Murayama 2013; Steinhoff 2014)。)

訴訟を用いるのは新しいことではないが、この連続講演会では、法的・司法的訴訟における法の使用について、とりわけ社会的・法的・経済的・政治的な実態や、その背景、役割に焦点を当てたい。フランスと日本における研究の比較は、この用語の異なる理論的定義と経験的応用を理解するための独自の方法を提供している。それは、「アメリカ化」という意味での実践の収束を目の当たりにしているのかどうか、そしてこの収束の決定要因は何かという問いに答えるためである(Kagan, 2007)。国ごとの特異性は維持されているだろうのか、そしてそれはどのように進化しているのだろうか(Rosa 2012)。


エヴ・トリュイレ
「欧州における環境問題の司法化:気候変動について」


要旨:
はじめに各国政府や欧州連合(EU)の気候変動の不作為に対処するための訴訟の利用が増えていることを示したい。この現象の表れを超えて、(フランスではEUとECHRでいくつかの訴訟が起こっている)その原因を探る。また、訴訟の増加による裁判官への影響を分析したい。国家評議会で起こっているフランス国家に対する訴訟、CJEUによって取り下げられた訴訟、ECHRによって承認されたばかりの訴訟など、複数の上訴の分析をとおして、主要な手続き上の障害とそれを克服するための手段を研究する。


プロフィール:
フランス国立科学研究センター研究主任。国際コミュニティ研究センター(CERIC-UMR DICE)の所長を務め、エクス・マルセイユ大学法学部・政治学部で教鞭をとる。欧州環境法を専門とする。現在の研究テーマは、環境訴訟、環境訴訟における科学的専門知識の位置づけ、科学的不確実性の問題。

主な著書:


Droit de l’environnement de l’Union européenne, Larcier, Bruxelles, 2015, 409 p.

Le procès environnemental – Du procès sur l’environnement au procès pour l’environnement, collab. M. Hautereau-Boutonnet, 2019, 242 p., accessible ici : Le procès environnemental. Du procès sur l'environnement au procès pour l'environnement

Horizon 2050 et neutralité : Quelques observations sur la pertinence des instruments européens, in La fabrique d’un « droit climatique » pour construire un monde à 1.5., C. Cournil dir., à paraître, Pedone, 2021.

A la recherche du procès environnemental (collab. Mathilde Hautereau-Boutonnet), in Le procès environnemental : du procès sur l’environnement au procès pour l’environnement, E. Truilhé, M. Hautereau-Boutonnet dir., à paraître, Dalloz, 2021

A la recherche du procès environnemental en droit de l’Union européenne : cheminer puis plonger, in Le procès environnemental : du procès sur l’environnement au procès pour l’environnement, E. Truilhé, M. Hautereau-Boutonnet dir., à paraître, Dalloz, 2021

Les People’s Climate Case c. Union européenne (collab. Estelle Brosset), in Les grandes Affaires Climatiques, C. Cournil (Dir.), éd. DICE, Confluences des droits, 2020 (disponible ici : https://dice.univ-amu.fr/fr/dice/dice/publications/confluence-droits/ouvrages), pp. 193-205.


イザベル・ジロドゥ
「人新世における法学教育――気候変動訴訟から考える」


要旨:

気候変動の世界法は、法教育の新しい対象の一つであり、避けて通れないものでありながら複雑である。気候訴訟は、この点で模範的である:すでに教師とその学生の間で慣れ親しんだ表現を動揺させ、この問題は、法律の授業において教育の実践のより深い変革につながる可能性がある。どのように、どのような条件で?この問題については、日本における法教育の実践、特に大学の新たな多元的・学際的なプログラムから引き出されたいくつかの例に基づいて検討する。


プロフィール:
東京大学准教授。パリ 第二大学で国際公法の博士号を取得し、東京大学で比較環境法の分野のポストドクター研究員を務める。現在は、人新世(アントロポセン)、環境法・災害法の批判的アプローチ、学際的な観点からみた環境法教育の変化などをテーマに研究を行っている。


大久保規子(おおくぼ のりこ)
「日本の環境訴訟の課題と改革の方向性」


要旨 :

日本の憲法・法律には,フランスのように環境権規定がない。水俣病のように激甚な公害を経験した日本では,生命・健康被害に関しては,加害企業の責任だけではなく,規制権限の不行使に関する国家責任も厳しく問われてきた。しかし,フランスと異なり,環境公益訴訟は導入されておらず,生態系損害訴訟や環境団体訴訟も認められていないなど,とくに自然・文化財分野では,課題が多い。気候変動についても人権問題であるという認識が不十分で,欧州以上に気候変動訴訟は難しい現状にある。そのため,法治主義を貫徹するという視点に立って,市民訴訟または環境団体訴訟を認めるなどの訴訟改革が不可欠である。


プロフィール :
一橋大学大学院法学研究科博士後期課程修了。ドイツ・ギーセン大学法学修士,博士(法学・一橋大学)。甲南大学法学部教授等を経て2005年より現職。専攻は行政法・環境法。2011年より,環境分野の参加を促進するためのグリーンアクセスプロジェクトを主宰。現在の主な研究テーマは「自然の権利」。最近の英文論文として,State Liability System in Japan and Development of Case Law in Environmental Matters, EurUP, 3/2019; Judicial Control Over National Security Projects: Critical Analysis of the Okinawa Dugong Cases from the Viewpoint of Principle 10, IUCN Academy of Environmental Law eJournal 9(2018)等。



【司会・連続講演会担当者】アドリエンヌ・サラ(日仏会館・フランス国立日本研究所)

【主催】日仏会館・フランス国立日本研究所
【助成】フランス国立社会科学高等研究院・日仏財団

* 日仏会館フランス事務所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページのイベントカレンダーからの申込みが必須となります。警備強化のため、当日の受付に際しては身分証明書の提示をお願いしております。

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