日時:2003年2月1日(土)9:30〜18:00
会場:日仏会館1階ホール(JR山手線,地下鉄日比谷線 恵比寿駅下車 徒歩12分)
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[最終更新日:2003-01-21]
アメリカから観れば日本の危機は,その深刻さがどうあれ,また原因が何であれ,明らかに,グローバルな経済環境での新しいリベラルなサイクルに迅速かつ十分に適応しきれなかったシステムの挫折の見本なのである。以来,この枠組で構想されたさまざまな解決策が提唱されるが,それはあまりに単純なものでしかない。それらの提案とは,いずれにせよアメリカモデルへの収斂を意図するものにすぎないからである。それらが,日本の政治・経済・改革の責任者たちに大きな影響を与えていることも事実である。だが,そこではっきりしているのは,そうした対策が有効ではないということとそれ自身が直面するジレンマのみである。
欧州からのヴィジョンは,この30年来の経験に裏付けられ,日本の危機の深刻さを経済的な観点から浮きぼりにし,いくつかの悪循環が生じていることを強調する。このヴィジョンはまた経済分析のみならず社会的諸問題や政治の役割をも考慮するものである。そうした要素こそが,危機からの出口を考えるため不可欠であると思われる。
本シンポジウムの目的は,それ故,危機についてのこのもう一つのヴィジョンを提示することにある。そして障害が何であるのかを明確にし,また解決策を提起したい。このためにはまず,幾つかのそれぞれ異なった経済的,社会的,政治的レベルを弁別する。続いて,この問題についての日本での最新の研究をフランスの社会科学系の研究者の批判的まなざしに委ねるのである。最後に,真の実りある議論のため,ターブルロンド形式を採用する。
9:30 | 開会 挨拶:ベルナール・ド・モンフェラン(駐日フランス大使) |
9:45-11:05 | 第1セッション「経済危機の深刻さとその長期持続をどう説明するのか? どのようにしてそこから脱却するのか?」 司会:クリスチャン・ソテール(元大蔵大臣) パネラー:吉川 洋(東京大学),伊藤隆敏(一橋大学),ロベール・ボワイエ(フランス国立科学研究センター,社会科学高等研究院) |
11:05 | <休憩> |
11:20-11:50 | *企業人の観点 ユベール・ドメスティエ(トタル・フィナ・エルフ) 「見えない危機:エネルギー部門のケース」 |
11:50-12:50 | ディスカッション |
14:15-15:15 | 第2セッション「ゆるやかな社会的危機? 社会行動の変化」 司会:竹内佐和子 パネラー:橘木俊詔(京都大学),木本喜美子(一橋大学),セバスチャン・ルシュヴァリエ(フランス国立科学研究センター,社会科学高等研究院) |
15:15-16:15 | 第3セッション「危機からのいかなる出口があるか? 明日の日本のためいかなる選択肢があるか? そのためにどのような政策があるか? 政治の役割」 司会:ロベール・ボワイエ パネラー:金子 勝(慶應義塾大学),大嶽秀夫(京都大学),ジャン=マリー・ブイスー(国立国際関係研究所) |
16:15 | <休憩> |
16:30 | 最終セッション「どこに障害があるのか? 解決策は?」 全体討論 司会:クリスチャン・ソテール,竹内佐和子 パネラー:ロベール・ボワイエ,ジャン=マリー・ブイスー,伊藤隆敏,金子 勝,木本喜美子,セヴァスチャン・ルシュヴァリエ,ユベール・ドメスティエ,橘木俊詔,吉川 洋 |
17:30 | 総括:竹内佐和子,クリスチャン・ソテール |