人文社会科学書の翻訳とグローバル化 条件と障害
[講演会] ジゼル・サピロ(フランス国立社会科学高等研究院)【ディスカッサント】 石田英敬(東京大学)
18:30〜20:30 1階ホール フランス語
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ピエール・ブルデューが指摘したように、思想の国際的流通は、一連の社会的要因と仲介者の力に左右される。人文社会科学書の翻訳は、そこでどのようなメカニズムが働いているかを観察する格好の場となっている。いかなる要因が有利に作用し、あるいは障害となるのか。一冊の本が翻訳される機会を得るまでには、諸言語と諸文化の間の力関係、作者の象徴資本と属性(ジャンル、学術的地位、社会関係資本)、作品の特性(内容、文体、長さ)、出版社の象徴資本、ネットワークと資金などの要因が作用する。このモデルは、フランスがアメリカに優位性を奪われたグローバル化の時代における、フランス語と他言語の間の翻訳の流れの量的および質的分析に基づいている。この問題を考えるにあたっては、特にブルデュー、デリダ、ドゥルーズ、シクスー、ピケティを例として取り上げる。
【司会】坂井セシル(日仏会館・日本研究センター)
【主催】日仏会館フランス事務所
【協力】フランス国立社会科学高等研究院、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本