5月
26
2015

講演会の映像をご覧ください。

 家族に関する報道は、フランスであれ日本であれ後を絶たない。多様化している家族を前に、20世紀に普遍化した近代家族モデルでは対応しきれなくなっていることの現れであろう。実際、社会学や人口学における研究では、家族が多様化していることがもはやその前提となっており 、現代の家族の変遷は、政治的にも重要な課題となっている。政府側からすれば、迅速な対応を迫られる現実的な課題であるとともに、思想的にも重要な案件である。同時に市民の側からすれば、どのような価値を社会の基盤に置くかという根本的な問題である 。
 日本とフランスの家族は、同じ伝統的価値観を共有しているわけではないが、民法を通して共通の基盤を有していることは確かである。法を適応するにあたり抱えている問題は、両国間必ずしも同じでないにしても、正義と平等を求める点で、根本的な姿勢は共通していると言えよう。
 日仏会館は、現代家族、とりわけカップルの問題に焦点を当て、討論の場を設けることで考察を深めていきたいと考えている。第一回目は、現代の生活形態の多様化がもたらす法の課題(4月2日)について、第二回目は、カップルに今後期待するもの(5月26日)、第三回目は、愛とセクシュアリティーについて。日仏両国の代表的な研究者がその意見を交わす。
 第二回目の討論会は、ここ10年のフランスや日本における家族についての議論で重要な役割を果たした二人の社会学者を迎えて開催する。まずは、それぞれの国において、カップルや婚姻関係に対して人々が抱く様々な期待を明らかにする。次に、フランスでは婚姻関係が復活しつつあるのに対して日本では衰退傾向にある現状を分析し、「共通性」を導きだすことの難しさを問う。最後に、離婚や離婚後について触れる。
 一連の討論会は、Institut français du Japon主催のもと、不平等について考えていくことを目的に、経済学者Thomas Pikettyを迎え一月に開催された討論会に続くものである。

【講師】
フランソワ・ド・サングリー(パリ・デカルト大学)
山田昌弘(中央大学)

【プロフィール】

フランソワ・ド・サングリー
ソルボンヌ・パリ・デカルト大学人文社会科学部教授 
国立科学研究センター「社会関係研究所」研究員
家族社会学をはじめ、カップルや教育、個別化プロセスの現代性などの研究のスペシャリストとして知られる。30冊におよぶ著書・編書のなかには、とりわけ次のようなものがある。Sociologie de la famille contemporaine (A. Colin, 2014, 5ème éd.), Séparée (Fayard- Pluriel, 2014), Les adonaissants (Fayard- Pluriel, 2014).

山田昌弘
現在、中央大学・文学部・教授
1957年東京生まれ。1981年東京大学文学部卒。1986年同大学院社会学研究科博士課程退学。東京学芸大学教授を経て、2008年より中央大文学部教授。内閣府男女共同参画会議民間議員、日本学術会議連携会員などを歴任。
専門は家族社会学。愛情やお金を切り口として、家族関係を社会学的に読み解く試みを行っている。パラサイトシングルの他、格差社会、婚活の名付け親でもあ
る。著書に「希望格差社会」(筑摩書房2004年)、「少子社会日本」(岩波新書,2007年)、「なぜ日本は若者に酷たいのか」(東洋経済新報社2013
年)、「家族難民」(朝日新聞出版2014年)。共著に「婚活時代」(2008年ディスカヴァー21)など多数。
http://www.nippon.com/ja/in-depth/a01002/

【司会】
ジャン=ミシェル・ビュテル(日仏会館・日本研究センター)
【主催】
日仏会館フランス事務所
日本を構成する人々研究会(フランス国立東洋言語文化大学・日本研究センター)
【助成】アンスティチュ・フランセ
【後援】日仏女性研究学会

* 日仏会館フランス国立日本研究所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページからの申込みが必須となります。

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