【日仏会館セミナー】

<テキストとイメージ>

更新日:2001年4月26日


標記のセミナーが、2000年9月より、パリ第7大学文字研究センター及び日仏美術学会の共同主催で、日仏会館にて開催されます。

テキストとイメージとが結びついた作品や創作活動が活発に行われている現代の状況下で、これまでヨーロッパの伝統的な思考においては別のものと認識されていた「読むこと」と「視ること」の問題が、今や相互に関係あるものとして問題提起され、現実的にもテキストとイメージとは歴史的にも関係を持ち続けてきた経緯を踏まえ、再考され始めております。

このセミナーでは、異なる文化が持つテキストを検討し、如何にしてこれら二つのメディアが、対立し互いの優位を主張し会うのでなく、相互に変貌し合い、補完し合い、豊かにし合うかを、検証したいと思います。

今回のセミナーの考察や研究の対象は以下のような内容を考えております。

  1. 文学的主題を描いた絵画
  2. 絵画の中に描かれる文字
  3. 視覚芸術を補う文学的な作品(言葉による絵画の描写、美術批評、美術を主題とした作品、芸術家を主題とする文学、等々)
  4. 本の形態やページのレイアウトなど(挿絵や芸術家の作る書物、等々)

このセミナーは、以上の問題に関心を持つ研究者を対象に、月に一度、基本的には月末の土曜日、午前10時から午後1時まで、日仏会館の6階601会議室で開催されます。発表者により、日本語もしくはフランス語で行われ、通訳はありません。

セミナー<テキストとイメージ>企画委員会(abc順)
千葉文夫(早稲田大学教授)
林洋子(都立現代美術館学芸員)
三浦篤(東京大学助教授)
森田直子(熊本大学講師)
マリアンヌ・シモン=及川(慶応大学訪問講師)
鈴木雅雄(早稲田大学講師)

連絡責任者
マリアンヌ・シモン=及川
日仏会館(研究室):150-0013 東京都渋谷区恵比寿3-9-25
TEL 03-5421-7642 FAX 03-5421-7652

2000年9月
30日10時 第1回研究会
  コーディネーター:千葉文夫(早稲田大学)
 ・マリアンヌ・シモン=及川(慶応大学):フランスにおけるテキストとイマージュ研究の現在
 ・参加者紹介
日仏会館601会議室
2000年10月
28日10時 第2回研究会
  コーディネーター:マリアンヌ・シモン=及川(慶応大学)
 ・今橋理子(学習院女子大学):葛飾北斎「西瓜図」の謎 ― 伝説と蔬菜図のあいだ
 ・マルグリット・パルブレスコ(早稲田大学):江戸時代の漢詩と南画:絵に意義を与える詩、詩の解釈に形を与える絵
日仏会館601会議室
2000年11月
25日10時 第3回研究会
  コーディネーター:森田直子(熊本大学)
 ・徳田和夫(学習院女子大学):奈良絵本の詞書の装飾性
 ・宮腰直人(立教大学大学院):イメージと〈沈黙〉 ―画中詞の視覚性を手がかりにして―
日仏会館601会議室
2000年12月
16日10時 第4回研究会
  コーディネーター:三浦篤(東京大学)
 ・小勝禮子(栃木県立美術館):19世紀フランスにおける挿絵とテキスト ― 挿絵本から画家の本へ
 ・森田直子(熊本大学):『レノーレ』 ― テキストとイマージュ
日仏会館601会議室
2001年1月
20日10時 第5回研究会
  コーディネーター:未定
 ・鈴木雅雄(早稲田大学):シュールレアリズムにおけるイラストレーションとその逆説:ダリ/エルンスト
 ・林洋子(東京都現代美術館):藤田嗣治の翻訳と挿絵:Legendes japonaises
日仏会館601会議室
2001年3月
3日10時 第6回研究会
  コーディネーター:マリアンヌ・シモン=及川(慶応義塾大学)
 ・林雅彦(明治大学):『日本の絵解』(仮題)
 ・原聖(女子美術大学):『キリスト教絵解き研究の課題』
日仏会館601会議室
17日10時 第7回研究会
  コーディネーター:林洋子(東京都現代美術館)
 ・浅野秀剛(千葉市美術館):『摺物(伊勢物語、徒然草)の制作をめぐって』
 ・木下直之(東京大学総合研究博物館):『戦争をめぐるテキストとイメージ(1860-1880年)』
日仏会館601会議室
2001年4月
21日10時 第8回研究会
 ・アンヌ・マリー=クリスタン(パリ第7大学教授,文字研究所長):『フロマンタン,画家と作家』(フランス語,通訳付き)
日仏会館601会議室
2001年5月
12日14時〜18時 第9回研究会
  国際研究集会:「児童書と絵:日本とフランス」
 ・司会:末松氷海子(フランス児童文学の研究と翻訳,白百合女子大学ほか非常勤講師)
 ・上 笙一郎(児童文化研究者):「近代以前の子ども絵本」
 ・イザベル・サン=マルタン(フランス高等研究院助教授):「19世紀児童書の教訓的挿し絵 ― 共和主義的理想とキリスト教的価値」
 ・佐藤宗子(千葉大学教授):「近代日本の児童文学と挿し絵」
 ・アニー・ルノンシア(パリ第7大学助教授):「フランス児童文学書のための芸術運動(1860年-1930年)」
日仏会館1階ホール
19日10時 第10回研究会
  コーディネーター:鈴木雅雄(早稲田大学)
 ・三浦篤(東京大学):『エドゥアール・マネ:“マルスラン・デブータンの肖像” ― 絵画とサロン批評をめぐって ―』
 ・北村陽子(早稲田大学):『美術批評家としてのジャン=リュック・ゴダール ― 「映画は19世紀の芸術だ」 ―』
日仏会館601会議室
2001年6月
30日10時 第11回研究会
  コーディネーター:三浦篤(東京大学)
 ・千葉文夫(早稲田大学):『「ドキュマン」誌における図像学とイメージ性』
日仏会館601会議室

ご案内:
2001年4月6日(金)、7日(土)、8日(日)に、日仏会館にて『文字の再生 ― 西洋と極東における文字の視覚的形態』と題したシンポジウムが行われる予定です。詳細は改めてご連絡いたします。


日仏会館フランス事務所

〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿 3-9-25
TEL. 03-5421-7641 / FAX 03-5421-7651

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