中国企業と国際化の試練:WTO への対応

ジャン=フランソワ・ユッシェ
(エコノミスト,フランス国立現代中国研究センター[香港]研究員)

日仏会館講演会/2001年1月22日/発表予稿

[更新:2000-12-27]


発表要旨

中国の WTO (世界貿易機関)への加盟には中国経済のみならず国際貿易にとっても大きな影響があるであろう。観測筋の一致した見方として,中国経済にとって長期的には有益であろうと分析している。しかし,中国が WTO との合意を十分に活かすためには,制度的,社会的,経済的な対応の面で,中短期的には不確実な要素が残っている。同時に,中国企業に関しては,すべてがひとしく WTO の試練に対応し得るだけの準備が出来ているわけではない。国営企業,公営企業,民間企業の間でもかなりの差があるが,さらに中国沿岸域と内陸部や北東地域との間にも大きな差がある。これらのさまざまな企業による銀行制度,金融,社会保障などの制度改革をともなう戦略は,中国経済が WTO の試練を克服するためには,過酷なものとならざるを得ないであろう。


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