Maison Franco-japonaise: 日仏会館 日仏会館・フランス国立日本研究所(Umifre 19 フランス外務省・国立科学研究センター)

言語:JA / FR


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2019年9月02日(月)のイベント

研究会

農への回帰をめぐるユートピアとエコロジー思想-日欧間の思想循環と歴史比較


使用言語:フランス語 (通訳なし)
日時: 2019年09月02日(月) 10:00〜18:30
場所: 601号室
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©村松研二郎




本セミナーは、農に還る運動がその基盤とする哲学、思想、ユートピアを日欧の文化的・歴史的次元において探求し、問うことを目的とする。自然および生命の概念は、それらの思想と社会運動の中心に位置する。そのために、本セミナーでは日欧の思想における自然および生命の概念を問い、それらの概念がどのように形成し、循環し、適応しながら社会変化に関与するのかを考える。
近代産業文明の限界と地球環境の持続性がグローバルに問題化される今日、異なる国家間では、問題の解決に向けて普遍的な合意がなされているとは言い難い。2017年11月、184ヵ国の15000人の科学者がBio Science誌において「生態系を生命の連関を維持する許容量を超えた」状態に追いやる危険に対し警鐘を鳴らし、「環境破壊を止める」ためにあらゆる手を尽くすよう政治的責任者に対して求めた(ル・モンド紙、2018年7月20日)。いずれにせよ、なすべき変容は未だになされていない。「政治に自然を引き入れる」(ラトゥール)という行為は、自然をめぐる様々な歴史的・文化的遺産と認識のために、未だに困難で進めがたい。しかし、差異は必ずしも障害ではない。思想は循環し、その発生した文脈を離れて適応し、世界またはローカルな自然とのつながりに働きかける運動とイニシアチブにヒントを与えるのである。
ヨーロッパと日本は、工業化を経験した最初の「旧世界」の地域であり、その工業化は一定の反動的な運動を引き起こし、時として土へ還るための意思を呼び起こした。これらの運動と土への回帰の衝動は、はたして反動なのか革新の原動力となりうるのか?「危機」の概念は、どのように運動の本質を光を当てるのであろうか?
本セミナーでは、エコロジー、生命、環境の維持管理をめぐって日本とヨーロッパ(特にフランス、ドイツ)で生まれた思想家と思想の系譜を取り扱う研究者が一堂に介する。それらの思想は、それぞれの国の文脈において、またはそれを超えて、アグロ・エコロジーに関わる運動または様々な「帰農」の形に影響を与えるものである。
このセミナーは、日仏間のビデオ会議による共同開催の形をとり、日仏会館(東京)とアルザス人文科学研究所(ストラスブール)にて同時開催される。そこでは、土とのつながりをめぐる思想をよりよく知るために、両国の異なる学問領域(地理学者、社会学者、人類学者、歴史学者、哲学者)の研究者が一堂に会し、単なる比較を越え、日欧間の文化間対話と思想循環に関心を向ける。福岡がシュタイナーに出会う時、はたしてどんな会話がなされるだろうか?


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プログラム詳細はこちら。

【講師】ニコラ・ボーメール(名古屋大学)、オレリー・コネ(スト ラスブール大学)、神門善久(明治学院大学)、ローランス・グランシャン(ストラスブール大学)、平口嘉典(女子栄養大学)、アンノ・イェンシュ(ドイツ日本研究所)、黒田昭信(ストラスブール大学)、村松研二郎(ストラスブール大学)、桝潟俊子(元・淑徳大学)、シリアン・ピッテル(ジュネーブ大学)、レミ・スコシマロ(日仏会 館・フランス国立日本研究所)、竹沢尚一郎(国立民族学博物館)

【主催】Projet scientifique Misha 2019-2020 ストラスブール大学、日仏会館・ フランス国立日本研究所
【助成】科研費 若手研究 (B) 課題番号 17K13578

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

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