日仏シンポジウム「21世紀の博物館を考える ― 歴史と民族学の新しい舞台」

2001年11月15日・午前10時より/日仏会館ホール


産業社会からハイテク・情報社会への移行にともなって、博物館も変わりつつある。博物館の歴史をひもとくとき、それは二つの大きな時期に大別されてきた。

1930年代は、植民地の拡大の流れの中で実現した一大コレクションの時代である。初めて大衆の前に展示された貴重な文物は人類の歴史と文化の象徴として受け止められたのである。1970年代になり、博物館は教育的側面を拡大し、あらゆる人々にむけて視聴覚プログラムやアトリエ、セミナー、シンポジウムを開くことにより、社会的知の伝達の役割を担っている。

こうした過去の上に、博物館は、今日、あらたな変革の時代に向かいつつあるように見える。すなわち、教育的配慮を失うことなく、新しいテクノロジーをより総合的に利用し、市民の積極的参加を促し、さらに知識と創意が一体となったクリエーションの時代に博物館は向かいつつあるように思われる。

今回は、日本における経験とフランスで新たに計画されている博物館の計画との対話の中から、明日の博物館を展望する。


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