インターネット時代のアジアの言語

西垣 通
(東京大学)

国際シンポジウム「言語帝国主義の過去と現在」 (1999年10月22日〜24日/於 日仏会館・一橋大学)

[目次]

[更新:1999-11-10]


報告要約

インターネット上でアジアの言語テキストを扱うことには、これまで様々な困難が存在した。しかし、ここ数年のあいだに状況は大きく変化しつつある。すでに日本語、中国語、韓国語などのテキストを、国境をこえて交換することが可能になっている。また、南アジアでも、そのための努力が行われている。

インターネット経由で流入する外国語テキストの理解を助けるために、コンピュータによる翻訳支援技術の開発が重要である。今後は、ユーザー自身が自分のニーズに応じて改善していける、対話的で進化的な機械翻訳システムが大きな役割を果たすだろう。

インターネットは、日本人が自分の言語を見つめ直す契機を与える。これまで日本ではいわゆる「国字問題」ばかりが議論されてきたが、21世紀には、国際的な幅広い観点から、多様な言語テキストをインターネット上で流通させる努力をしなくてはならない。たとえば漢字の活用についても、さらに検討がなされるべきだろう。


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