複数の国家に散在する少数民族の言語政策:ロマ語の場合

マルセル・クルチアッド
(INALCO)

国際シンポジウム「言語帝国主義の過去と現在」 (1999年10月22日〜24日/於 日仏会館・一橋大学)

[目次]

[更新:1999-11-10]


発表要旨(代読)

始めに、著者は発表で用いられる用語の定義を示す。つづいて、ロマ語に内在する、政治言語学的にみて適切ないくつかのファクターを示す。特に、借用語の問題とその文法上の問題を、いくつかのロマ語の特徴を強調しつつ示す。さらに、ロマ語の発展に対する様々なファクターの作用を点検する:老人と伝統、過去の政府と教会、ソ連のケース、一般の使用者、ロマの政治家と知識人、ロマの団体(特に国際ロマ連合とその言語委員会およびRromani Baxt 財団、非ロマ人による援助グループと「ジプシー研究者」、近代国家と国の諸制度、現代の教会、国際的及び超国家的機関、および国立東洋言語文化研究所の役割 ― それらを、ロマ語の言語的一体性(コミュニケーションの次元)と方言の多様性(アイデンティティーの次元)の間のバランスに関する展望のもとに検討する。  最後に、ロマ語の欧州建設に対する貢献の二つの重要な側面を強調したい:若いロマ人にとって健全な文化的拠り所となるものの出現とロマ語を話す新しい世代の感性(質的)と知識(量的)のレベルにおける精神的充実。


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