アルジェリアにおけるアラブ語化政策とベルベル語

サレム・シャケール
(INALCO)

国際シンポジウム「言語帝国主義の過去と現在」 (1999年10月22日〜24日/於 日仏会館・一橋大学)

[目次]

[更新:1999-11-10]


発表要旨

北アフリカでは、アラブ語化とは全く異なる二つの現実を包摂しているのである:

言語学的観察者にとって、ベルベル語にのしかかる主たる脅威はむしろアラビア語化への「内発的な」歴史的社会学的動きにあることは明らかである。それは、住民間の混交、農村からの人口流出、都市化など常にアラビア語化に有利に作用する要因によって強化されているのでなおさらである。それら諸国の言語政策が、たとえどれほど攻撃的でも(ジェノサイドを除いてではあるが)、中長期的にはある言語の存続にマージナルな影響しか持ち得ない時、少なくとも、ある言語がベルベル語のように数百万の人々に話されている時には、そうした動きが主たる脅威であるのだ。

そのとき問うべきことは、ベルベル語のような少数言語、本質的に話し言葉であり、農村の伝統に根ざす言葉は、それに対していかなる点でも好ましくない、あるいはむしろ敵対する状況にあって存続可能なのか、あるいはどのような条件で存続可能なのかを知ることである。


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