Maison Franco-japonaise: 日仏会館 日仏会館・フランス国立日本研究所(Umifre 19 フランス外務省・国立科学研究センター)

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極端な出来事の頻度について:破局を明瞭に把握しつつ行動するための序論


使用言語:フランス語
日時: 2011年06月28日(火) 18:00
講演者:ジャン=ピエール・デュピュイ (スタンフォード大学)
  • 講演要旨:
    福島原発危機は深刻な原子力事故に関する統計を一変させた。これまでの標準では600年毎に一件の深刻な事故が起きるとされていたのが、原子力の非軍事的利用がなされるようになったこの約60年の間に、30年毎に一件の深刻な事故が発生するという数字に変化したのである。20世紀に人類が選択した発展の形態の存続が深刻な脅威に晒されているあらゆる分野において、このような状況が見受けられるようだ。その例が気候変動やグローバル化した金融資本主義の瓦解などである。極端なことが標準になる傾向が認められる。
    本講演ではこの本質的な転倒について以下の三つのケーススタディーに依拠しつつ考察したい。第一は環境危機と道徳的な運不運、第二は金融危機と予告された破局、第三は核戦争の不可避性および運命と事故の弁証法である。破局(catastrophe)を前にした人間についての一般理論を構築する試みとなるだろう。

  • 講師プロフィール:
    エコール・ポリテクニックおよび国立高等鉱業学校出身。エコール・ポリテクニックの社会・政治哲学名誉教授。現在はカリフォルニアのスタンフォード大学で哲学・文学および政治学の教授として教鞭を執る。技術アカデミー会員、鉱業会議(Conseil général des Mines)の名誉会員。フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)の倫理委員会委員長を務める。Fondation Imitatio (http://www.imitatio.org/) の研究ディレクター。
    最近の著作に The Mechanization of the Mind (Princeton University Press, 2000) ; Pour un catastrophisme éclairé (Seuil, 2002) ; Avions-nous oublié le mal ? Penser la politique après le 11 septembre (Bayard, 2002) ; La Panique (Les empêcheurs de penser en rond, 2003) ; Petite métaphysique des tsunamis (Seuil, 2005) ; Retour de Tchernobyl : Journal d'un homme en colère (Seuil, 2006) ; On the Origins of Cognitive Science (The MIT Press, 2009) ; La Marque du sacré (Carnets Nord, 2009) ; Dans l’œil du cyclone (Carnets Nord, 2009) などがある。また、Penser l'arme nucléaire (PUF) が近日刊行の予定。
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