Maison Franco-japonaise: 日仏会館 日仏会館・フランス国立日本研究所(Umifre 19 フランス外務省・国立科学研究センター)

言語:JA / FR


日仏会館フランス事務所 / イベント・カレンダー

2016年10月のイベント

連続講演会「恋愛の人類学」

火か、あるいは雷か
古代から18世紀までの西洋における愛のイメージ


使用言語:フランス語 (同時通訳付き)
日時: 2016年10月14日(金) 18:30〜20:30
場所: 1階ホール
講演者: ジャン=クロード・ボローニュ(小説家、歴史者、ベルギー王立フランス語フランス文学アカデミー)
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18世紀から西洋では唐突で情熱的な愛を「空中の火」である雷に例えた。よりゆっくり温める炉のような人間的な火は、むしろ夫婦愛に結びつく。しかし、ガストン・バシュラールのもとで形式化されたこの対立は、その前の時代へはほとんど適応されない。それ以前は滅多に雷が愛に結びつくことはなかったし、結び付けられたとしても、意味は異なっていた。ほかのタイプの対立は、より複雑な隠喩に富んだネットワークを作っていた(人間/神;世俗/天上;自然/人工など)。1741年に、一目惚れ(coup de foudre、雷の一撃)は感覚論のもとではじめて論じられたが、のちに重きをなしたロマン主義的隠喩とは根本的にかけ離れていた。本講演会では、一目惚れのイメージの形成について論じたい。

プロフィール

ジャン=クロード・ボローニュ

1956年リエージュ生まれ。文献学者、中世学者、小説家(La Faute des femmes (1989年), Le dit des béguines (1993年), Le frère à la bague (1998年)など。)、フランス語史研究家である。また、西洋における愛の変遷についての歴史家でもあり、このテーマについて多くの著書がある:Histoire de la pudeur (1986年、訳書『羞恥の歴史:人はなぜ性器を隠すか』1994年), Histoire du mariage en Occident (1995年), Histoire du sentiment amoureux (1998年), Histoire du célibat et des célibataires (2004年), Histoire de la conquête amoureuse (2007年).
現在、ICARTにて中世イコノグラフィーを教える。

木村朗子
津田塾大学教授。中世日本文学を専門とし、中世後期の社会における女性の立場について研究する。英語で書かれた A Brief History of Sexuality in Premodern Japan (2010)など、多くの著書がある。

【講師】ジャン=クロード・ボローニュ(小説家、歴史者、ベルギー王立フランス語フランス文学アカデミー)
【ディスカッサント】木村朗子(津田塾大学)
【司会】ジャン=ミシェル・ビュテル(日仏会館・日本研究センター)
【主催】日仏会館フランス事務所
【助成】アンスティチュ・フランセ(パリ)
【協力】在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本


* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

民主主義は敵をどうつくるか


使用言語:フランス語 (同時通訳付き)
日時: 2016年10月18日(火) 18:30〜20:30
場所: 1階ホール
講演者: ピエール・コネサ(作家、パリ政治学院)


※著作権により通訳音声は配信できませんのでご了承ください。

国際関係論の教科書の通説とは反対に、民主主義国家はその本質からして平和的であるとは限らない。民主主義が平和的だとすれば、フランスやイギリスによる植民地化はなかっただろうし、アメリカのイラク侵攻はなかっただろうし、イスラエルによる被占領地域の植民地支配もなかっただろう。逆に独裁国家がすべて好戦的であるとは限らない。戦争をするには敵をつくる必要がある。だが、いったい誰がどのようにして敵をつくるのか。敵のつくり方にはいくつかの段階がある。新しい戦略イデオロギー、政治指導者の演説、敵を名指して世論を誘導する「マーカー」、そして武力攻撃にいたるメカニズムがある。「敵に印をつけるマーカー」のことをアメリカでは「ストラテジスト」と呼ぶが、紛争のタイプにより介入するストラテジストは多様である。もし敵が人工的構築物だとすれば、敵のタイプ分けが可能であるはずだ。近隣の敵(国境紛争など)、地球規模の敵(冷戦期の敵)、内部の敵(内戦)、隠れた敵(ユダヤ人陰謀説、南米の反共クーデタ)、善の悪に対する戦争、概念上の敵(テロリズム、核拡散)、メディアがつくる敵(メディア的知識人、映像)など。もし敵が構築物だとするならば、敵を脱構築することができるはずである。

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【講師】ピエール・コネサ(作家、パリ政治学院)
【ディスカッサント】西谷修(立教大学教授)
【司会】細川哲士(立教大学名誉教授)
【主催】(公財)日仏会館、日仏会館フランス事務所

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* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

貧困の基本形態
日本的特殊性の有無について


使用言語:フランス語 (通訳付き)
日時: 2016年10月22日(土) 18:00〜19:30
場所: 1階ホール
講演者: セルジュ・ポーガム(フランス国立社会科学高等研究所)
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貧困は厄介な問題である。なぜなら、それは全体的に豊かで民主的な社会において受け入れられなくはないが、少なくとも我慢しがたい不平等の表れだからである。近代社会が避けられると信じていた事態を体現する貧しい人々は、低い社会的地位しかもてない。しかし、貧困の基本形態は社会によってまちまちである。著書les formes élémentaires de la pauvreté(翻訳『貧困の基本形態-社会的紐帯の社会学』、2016年)の日本語訳出版を記念した本講演会で、セルジュ・ポーガム氏は、国際的比較研究の主な成果を紹介し、日本の特異性について検討する。

セルジュ・ポーガム氏は、フランス国立科学研究センターおよびフランス国立高等社会研究院の研究主任である。La disqualification sociale (1991), Le Salarié de la précarité (2000), Les formes élémentaires de la pauvreté (2005), Le lien social (2008)など、その著作の多くはフランス国内外における社会的・政治的議論に際して参照すべき書物となっている。また、モーリス・アルブヴァクス・センターにおける社会の不平等についての研究チームERISの責任者でもある。現在の研究プログラムでは、現代社会における社会関係の基盤を研究し、さまざまな社会的帰属の形態がいかにして形成されるかを明らかにしている。


【講師】セルジュ・ポーガム(フランス国立社会科学高等研究所)
【司会】川野英二(大阪市立大学)
【主催】日仏会館フランス事務所
フランス語、逐次通訳つき

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* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

ポール・ヴァレリーとその時代

[ 講演会 ]

使用言語:フランス語 (通訳なし)
日時: 2016年10月24日(月) 18:00〜19:30
場所: 601号室
講演者: ミシェル・ジャルティ (パリ第4大学)

Comment le jeune Valéry symboliste fut-il résolument moderne avant d’entrer dans une période de désenchantement ? Abolissant les exigences de rigueur de la fin du XIXe siècle, la littérature des décennies suivantes lui paraît trop souvent céder à la facilité et donner lieu à des œuvres que le lecteur parcourt comme pour se divertir. Alors que se multiplient les réserves à l'égard du moderne, se dessine un éloge du classique qui, sous bien des aspects, se confond avec le symbolisme défunt : un certain art d'écrire est célébré et, symétriquement, un certain art de lire, mais qui désormais sont perdus. Après avoir été pleinement de son temps, le Valéry de la maturité se sent ainsi en décalage. Il rejette une société trop futile où il n'est plus possible de connaître le loisir fécond du plaisir littéraire grâce auquel chacun pouvait véritablement cultiver son esprit et, par conséquent, le renforcer..

【主催】 現代フランス研究会(GEFCO)
【協力】 日仏会館フランス事務所

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

連続講演会「恋愛の人類学」

アラブ詩とモーリタニア社会における宮廷風恋愛


使用言語:フランス語 (通訳付き)
日時: 2016年10月25日(火) 18:30〜20:30
場所: 1階ホール
講演者: コリーヌ・フォルティエ (フランス国立社会科学高等研究所)
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連続講演会《恋愛の人類学》初回では、西洋における恋愛の概観を提示した。第二回となる今回の講演会では、西洋の恋愛の歴史と決して無関係ではないが、独自性を持つもうひとつの伝統について探りたい。そうすることで、第三の項によって充実したものとなり、今までおこなってきた日仏比較にも光を当てることだろう。  
モーリタニアのムーア人たちは、フトゥーワ(futûwwa)と呼ばれる騎士道の規範を受け継いだ。恋愛ゲームにおいて女性は捕獲すべき獲物であり、アラブ世界の詩的イメージにおけるガゼルと同じであった。 トルバドゥールやイスラム文化以前の詩人たちのお気に入りの武器だったように、詩はそのための特上の武器だった。宮廷風恋愛においても同じように、女性を手に入れる方法は、狩猟の技術に類似しており、戦争の語彙を用いていた。  モーリタニア社会において、恋愛の4行詩は文学人だけの専有物ではなく、形式的というより実用的であることに価値があり、愛する人の心を動かすことを目的として作られることが大切だった。それはたしかに愛する人を喜ばせることであるが、また、雅の愛(fin'amor)のように、誘惑することで男性としての価値を完成させることでもあった。つまり恋愛ゲームには通過儀礼の意味があり、それを通じて若者は中世の西洋においても美徳とされた克己心を学ぶのである。

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 【講師】コリーヌ・フォルティエ
人類学者、心理学者、映画監督。フランス国立科学研究センター(CNRS)研究者であり、コレージュ・ド・フランスの社会人類学研究所に所属する。2005年にはCNRS研究賞の銅メダルを受賞した。
身体、ジェンダー、フランスとイスラム社会におけるイスラムの親子関係のテーマ系にて研究を行い、数々の論文を出版した。また、2016年〜2017年にかけて、フランス国立社会科学高等研究院のセミナー「イスラム、マグレブ、中東におけるジェンダーと主観性」の共同指導者のひとりである。
http://las.ehess.fr/index.php?1916
https://cnrs-gif.academia.edu/CorinneFortier


【ディスカッサント】辻上奈美江(東京大学)
【司会】シルヴィ・ボォ(日仏会館・日本研究センター)
【主催】日仏会館フランス事務所
【助成】アンスティチュ・フランセ(パリ)【協力】在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、フランス国立社会科学高等研究所

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

日仏シンポジウム

芸術照応の魅惑Ⅱ
両大戦間期のパリ:シュルレアリスム、黒人芸術、大衆文化


(通訳付き)
日時: 2016年10月29日(土) 10:00〜17:40
場所: 1階ホール
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画像をクリックしプログラムをご覧ください。

定員に達したため、お申し込みを締め切らせていただきました。




第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけてのいわゆる両大戦間期のパリは、シュルレアリスムをはじめとする前衛芸術運動が華やかに展開しただけでなく、大衆文化や黒人芸術などもそれに絡み合い、外国出身の芸術家も含め、複雑な交友関係がみられ、それが作品に陰に陽に影響を与えた。この豊饒な文化状況は夙に知られているとはいえ、領域が多岐に渡るため、十分に研究解明が尽くされているとは言い難い。本シンポジウムでは、新たな問題意識から、この時代の文学、映画、写真、音楽などの交流にアプローチしてみたい。外国人研究者も含め、各分野から集まった発表者は少なくとも二つの異なる領域にまたがる主題を取り上げることになるだろう。2日目のシンポジウムの後には、この時代にちなんだミニ・コンサートを開催して、研究と実演の照応も目指したい。

【講師】エルザ・アダモヴィッチ(ロンドン大学)、荒このみ(東京外国語大学)、パスカル・ブランシャール(パリ・ドフィーヌ大学CNRS-LCP-IRRISSO)、千葉文夫(早稲田大学)、ミカエル・フェリエ(中央大学)、昼間賢(立教大学)、星埜守之(東京大学)、河本真理(日本女子大学)、永井敦子(上智大学)、ミシェル・ポワヴェール(パリ第1大学)、澤田直(立教大学)、ヤニック・セイテ(パリ第7大学)、鈴木雅雄(早稲田大学)、塚本昌則(東京大学)、 柳沢史明(東京大学)

【学術責任者】澤田直、三浦信孝、鈴木雅雄、永井敦子、昼間賢

【主催】(公財)日仏会館、 日仏会館フランス事務所
【助成】(公財)石橋財団
【協賛】日本フランス語フランス文学会
【後援】日仏美術学会
フランス語と日本語、同時通訳

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

日仏シンポジウム

芸術照応の魅惑Ⅱ
両大戦間期のパリ:シュルレアリスム、黒人芸術、大衆文化


(通訳付き)
日時: 2016年10月30日(日) 10:00〜17:15
場所: 1階ホール
colloque surréalisme.jpg
画像をクリックしプログラムをご覧ください。

定員に達したため、お申し込みを締め切らせていただきました。




第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけてのいわゆる両大戦間期のパリは、シュルレアリスムをはじめとする前衛芸術運動が華やかに展開しただけでなく、大衆文化や黒人芸術などもそれに絡み合い、外国出身の芸術家も含め、複雑な交友関係がみられ、それが作品に陰に陽に影響を与えた。この豊饒な文化状況は夙に知られているとはいえ、領域が多岐に渡るため、十分に研究解明が尽くされているとは言い難い。本シンポジウムでは、新たな問題意識から、この時代の文学、映画、写真、音楽などの交流にアプローチしてみたい。外国人研究者も含め、各分野から集まった発表者は少なくとも二つの異なる領域にまたがる主題を取り上げることになるだろう。2日目のシンポジウムの後には、この時代にちなんだミニ・コンサートを開催して、研究と実演の照応も目指したい。

【講師】エルザ・アダモヴィッチ(ロンドン大学)、荒このみ(東京外国語大学)、パスカル・ブランシャール(パリ・ドフィーヌ大学CNRS-LCP-IRRISSO)、千葉文夫(早稲田大学)、ミカエル・フェリエ(中央大学)、昼間賢(立教大学)、星埜守之(東京大学)、河本真理(日本女子大学)、永井敦子(上智大学)、ミシェル・ポワヴェール(パリ第1大学)、澤田直(立教大学)、ヤニック・セイテ(パリ第7大学)、鈴木雅雄(早稲田大学)、塚本昌則(東京大学)、 柳沢史明(東京大学)

【学術責任者】澤田直、三浦信孝、鈴木雅雄、永井敦子、昼間賢

【主催】(公財)日仏会館、 日仏会館フランス事務所
【助成】(公財)石橋財団
【協賛】日本フランス語フランス文学会
【後援】日仏美術学会
フランス語と日本語、同時通訳

* イベントは、特に記載のない限り、すべて無料となっております。参加をご希望の方はお申し込みをお願いいたします。

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